私たちは生きるために毎日食事をします。
その毎日摂取する食べ物の中には、食べ続けると老化の原因となる食べ物があります。
食べ物による老化の原因は様々ですが今回は“糖化”による体の老化やその危険性についてお話していきます。
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老化の原因|糖化とは何か
糖化、と言われてもイマイチ何のことかわからないですよね。
糖化とは、“糖”と“タンパク質”が結びついて化学反応を起こすことです。
この化学反応が起きる事によって生み出された物質を“終末糖化産物(AGE)”といい、これは身体の外に排出することができずにどんどん貯蓄されていくのです。
ちなみにこの終末糖化産物は100種類以上もあり、大半が悪玉ですが一部善玉もありますので両方ご紹介していきますね。
ここからのお話ではこの物質のことをAGEと呼んでいきます。
糖化の起こる仕組み
糖化というのは糖とタンパク質が結合することで起きる反応です。
これを起こさない為には糖分とタンパク質を一緒に取らなければ良いと思う方もいるのではないでしょうか?
実は糖とタンパク質を一緒に摂取することが悪いわけではなく、高血糖の状態で余分な糖が発生してしまうことで、血中たんぱく質と結合されます。
難しく聞こえるかもしれませんが、簡単に言えば糖分のとりすぎが良くないのです。
長い間高血糖な生活を続けていると身体がその状態を記憶してしまい、すぐに高血糖の状態になりやすくなってしまいます。
しかし、今から気をつけて血糖値を上げないことが重要になってきます。
AGEがもたらす影響
AGEは身体に様々な影響を及ぼします。
例えば外見であれば、シミやシワをはじめとする様々な老化現象が現われ、実年齢よりも老けて見えてしまうなんてこともあります。
身体の内側の影響は、外見よりももっとたくさんあります。
・生活習慣病
・がん
・骨粗しょう症
・関節の変形
この他にも様々な影響があります。
一度体内に蓄積されてしまうと排出が難しいので、AGEを増やさないようにしていきたいですね。
他にも体内のAGEが蓄積された部分によって、
・白内障
・動脈硬化
・アルツハイマー
というやっかいな病気にもなりやすく、本当に危険です。
老化原因の食べ物|悪玉AGE5選
AGEってとても恐ろしいですね…
様々な病気のもとになっていることを知ったら、なるべく普段食べるものにもAGEが含まれていないものを選びたいですよね。
悪玉AGEが多く含まれる食品を5つピックアップしてご紹介していきます。
なかには私たちが普段から口にするものや、多数の方が好きな食べ物に選ぶであろう食品も入っているので要チェックです!
➀高脂肪動物性食品の焼き物や揚げ物
高脂肪動物性食品、というと難しく聞こえるかもしれませんが、いわゆる唐揚げやステーキなどです。
動物性脂肪にタンパク質が含まれ、それを高温調理することでAGEが発生します。
ですがこの高脂肪動物性食品って大体おいしいお肉料理ばかりですよね。
まるっきり食べない、というのは無理ですしご褒美にステーキなんて方もいると思いますので、ステーキをレアで注文するなどの工夫でAGEを減らすことができます。
あとは低温調理されているローストビーフなども比較的AGEが少ないので加熱調理されたお肉を食べるのなら積極的に選んでいきたいですね!
②ファーストフード
先ほどの高脂肪動物性食品と理由は同じです。
ファーストフードは油で揚げるものが大半で、やはりAGEが発生します。
ご飯が作るのが面倒な時やドライブの片手間など、買いやすく食べやすいものばかりですしやはり美味しいので食べがちですが、高温の油で揚げるのでこちらもなるべく避けたいところです。
③ポテトチップス
フライドポテトにも同じことが言えるのですが、芋類を高温で揚げると、“アクリルアミド”というAGEが発生します。
アクリルアミドはAGEの中でも超悪玉AGEと言われるもので、今すぎにでも食べるのをやめてほしいくらいのものです。
よく市販のポテトチップスが体に良くないからと、自身でジャガイモをスライスして揚げている方もいますが、これも同じです。
確かに市販のポテトチップスで危険とされる油は使いませんがやはり芋類なので、アクリルアミドが発生します。
芋類は揚げずに食べることをおすすめします。
④加工肉
最初に高脂肪動物性食品をご紹介したので、それと似たような理由ではあります。
加工肉と言えば、ソーセージやハムなど朝食のお供としても万能でよく食べる方もいるのではないでしょうか。
実は、加工していく段階でどんどんAGEが増えていくそうです。
その加工肉をさらに焼いてしまったら、とんでもない量のAGEを摂取することになります。
朝食のスクランブルエッグのお供のベーコン、バーベキューのフランクなどどれもおいしいものばかりですが、加工肉もかなり危険です。
AGEの他にも加工肉には添加物や身体に良くない物質も含まれているのでAGEの促進にもつながります。
⑤ジュース類
ジュース類と言っても、全てではありません。
主に品名が“清涼飲料水”とされているものが該当します。
清涼飲料水に含まれる“異性化糖”という物質がAGEを増やす原因となります。
異性化糖はサツマイモやトウモロコシに含まれるでんぷんを発光させてつくられる糖です。
果糖は砂糖などよりも安価で手に入る分、ブドウ糖よりもAGEの発生率が10倍もあります。
考えるだけでもゾッとしますよね…
また、他の糖類よりも吸収されづらいので太りやすい糖類でもあります。
ジュースの他にも家庭にあるタレやドレッシングにも異性化糖が含まれている商品がありますので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
老化原因|AGEをなるべく発生させない生活方法
私たちが普段口にする食品にAGEがかなり含まれていて、驚きでしたよね。
悪玉AGEを5種類紹介しましたがもちろんほかの食品にも含まれていますので、気にしていてもすべてを把握して避けることはかなり難しいです。
では、私たちはAGEを気づかないうちに摂取してどんどん体に蓄積していくことしかできないのでしょうか。
AGEを少しでも減らす対策をご紹介しますので、是非今日から実践してみてください。
血糖値のコントロールをする
まずは血中たんぱく質に結合する量を減らしたいので、血糖値をなるべく上げないようにすることが大切になってきます。
少し意識するだけでもグッと血糖値を下げることができます。
どれも簡単なものばかりなので軽くご紹介させていただきます。
低GI食品を選ぶ
低GI食品とは、血糖値を上げにくい食品のことです。
例えばオイコスやSOYJOYなど高たんぱくで低GI食品として有名で、筆者も最近は少し健康を意識してコンビニスイーツを我慢してオイコスを食べるようにしています。
その他にも砂糖なら白より茶色、食物繊維が豊富な食品を選ぶことが大切です。
例として砂糖を挙げましたが、精製食品よりも未精製食品の方が血糖値は上がりにくいです。
更に食物繊維の豊富な食品は血糖値の上昇を緩やかにするだけでなく、AGEの発生も抑えてくれます。
空腹時に甘いものを食べない
これはもう絶対にNGです。
ただでさえ空腹時に食事をすると血糖値が上がりやすいのに、血糖値を上げる一番の要因である甘いものを空腹時に食べてしまったら…
考えるだけでも恐ろしいくらい血糖値は上がります。
空腹時は極力甘いものを摂取することは控えましょう。
朝食を抜かない
ダイエットで朝食をしっかり食べるべき、という理由と少し似ていますが、朝食を抜いて昼食から食べることは良くありません。
何も食べないよりかは何か口にしておいたほうが良いですが、できれば野菜をチョイスしましょう。
“セカンドミール効果”といって、野菜を摂取しておくことで次の食事の血糖値が上がりにくくなります。
お昼は高カロリーになりがちなので朝に野菜を食べて血糖値を抑えたいところですね。
食品中のAGEを減らす
冒頭からAGEは身体に蓄積されていく、とお話をしていましたがすべてがダイレクトに蓄積されていくわけではありません。
食べ物に含まれるAGEの大半は尿や便から排出されます。
摂取した10%ほどが血液中から検出され、そのうちの7%が体に蓄積されていきます。
つまりAGEを摂取すればするほど蓄積される7%分は増えていくので、なるべく摂取量を減らして蓄積される7%を減らしていくことが重要になります。
酸化ストレスを減らす
酸化というのは、ストレスや食習慣、環境汚染、食品添加物、放射能など様々なものから発生します。
この酸化ストレスがかかることで、AGEの増加を加速させてしまうのです。
せっかく血糖値などに気を使っても増加の速度を上げてしまったらプラマイゼロになってしまいますよね。
環境汚染は自身だけではどうにもできませんが食習慣や食品添加物など、簡単に取り組めるものから実践して酸化ストレスを減らしていきましょう。
オメガ3系脂肪酸を摂取する
“オメガ3系脂肪酸“というのは青魚のDHAやEPAと言った成分、エゴマ油や亜麻仁油に多く含まれるαリノレン酸がオメガ3系脂肪酸に含まれます。
これらはAGEの受け皿となる“RAGE”を減らしてくれる効果があります。
ここで皆さん気になってくるのが、少し前まで良くないと言われていた焼き魚についてだと思います。
焼き魚の焦げに含まれる“ヘテロサイクリックアミン”という成分が発がん性があるから食べないほうが良い、とされていました。
しかし焼き魚の焦げに含まれるヘテロサイクリックアミンはごくわずかな量で、それ以上に身体に良い栄養分がたくさん魚には含まれているので積極的に食べていきたい食品です。
キチン(不溶性食物繊維)を摂取する
キチンは甲殻類や野菜、キノコや海藻に多く含まれています。
少し前にもお話しましたが、食物繊維を摂取することで血糖値の上昇を抑えてくれます。
AGEの体内に蓄積される量を減らしていく上で、とても大切になってくる成分です。
AGEの中には善玉もある
最初にAGEは100種類以上あることは少し触れました。
その中に善玉と悪玉があって、善玉のAGEは身体への悪影響がありません。
例えば味噌や醤油に含まれるAGEは“メラノイジン”といって、抗酸化作用の他にも様々な身体に良い働きをしてくれる成分が含まれているんです。
コーヒーのメラノイジンは、消化されて異分子化される特徴があります。
コーヒーは焙煎しますが、焙煎すればするほどメラノイジンが増えていくのでより強い抗酸化作用が期待できます。
コーヒーなどに比べたら少ないですが、赤ワインや黒ビールにもメラノイジンは含まれているそうです。
更にメラノイジンは腸内環境を抑制てくれる働きがあるので、便秘などにも効果が期待できます。
老けない5つの食べ方ルール
ここまでたくさんの食品に関するAGEのお話をしてきましたが、食べちゃいけないものは分かったけど気をつけることが分からない…なんて方もいると思います。
そこで、5つの血糖値を上げにくくするルールをご紹介します。
AGEの増加を防ぐ手段として是非試してみてください。
➀血糖値を上げにくい食べ方をする
白米やパスタ、おうどんなど食べたくなりますよね。
でもそのまま食べると血糖値がぐんと上がってしまう…
そんな時はオリーブオイルを一緒に摂取すると血糖値の上昇を抑えてくれます。
炭水化物よりも先に食物繊維の多く含まれる食べ物を摂ることも大切です。
②焼き物や揚げ物にはレモン汁や酢を
悪玉AGEが含まれているからと言って、食べないのは酷ですよね。
レモン汁や酢でクエン酸を一緒に摂ることによってAGEを減少させてくれます。
③緑黄色野菜を食べる
色の濃い野菜には抗酸化成分やAGEに対抗する成分が含まれています。
その他にも緑黄色野菜には身体に良い成分がたくさん含まれているのでAGEの対策に限らず、たくさん食べることをおすすめします。
また、野菜や果物はスムージーなども良いですがなるべく生で食べることをおすすめします。
④異性化糖をなるべく避ける
冒頭でかなりお話したので簡単に要点だけお伝えします。
清涼飲料水などに含まれるこの成分は、AGEを増やす作用があります。
清涼飲料水などの甘みは砂糖よりもはるかに安価な異性化糖が使われているので、外出先などで飲み物を買う時はペットボトルの裏の品名を見てみるようにしましょう。
⑤糖化を防ぐお酒の選び方
一日の終わりや友人と飲むお酒っておいしいですよね。
お酒は種類によって得意不得意があると思いますが、割と種類豊富に飲める方は抗酸化作用のあるワインをおすすめします。
また、日本酒もAGEの発生を抑えてくれる効果が期待できますので、こちらもおすすめです。
老化原因の食べ物|まとめ
今回はAGEについてお話してきました。
AGEには悪玉と善玉の2種類があります。
私たちが普段から口にする食べ物や多くの人が美味しい、また食べたいと思うもの、外食先で出てくる食事には悪玉AGEが多く発生している可能性が高いです。
かといって、毎日3食自炊したり外食に行っても制限が厳しくなってしまうのはかなり疲れるしストレスになってしまうと思います。
今回ご紹介した中で食品添加物に気をつけ、朝食を抜かない、血糖値を気にするなどしてAGEの上昇を抑えて、たまにステーキやファストフードなどを食べるのが上手な付き合い方かなと思いました。
今までAGEがたくさん含まれている食事ばかりだった、という方も是非今日からできることを実践してみてくださいね。
ここまでお付き合いくださりありがとうございました!