健康のために良いと言われる青汁。
青汁って、色々種類がありますよね。
原料も様々で、いざ飲もうと思っても、どれにしようかと迷ってしまいます。
なんとなく選んで飲んでいるけど、何に良いのかよくわからないとか、
別の種類の青汁も飲んでみたいけど、効果がよくわからないとか、そんなこともありそうです。
ここでは、青汁の原料に多く使われる、大麦若葉、ケール、明日葉、桑の葉の4つに着目して、原料それぞれの違いを詳細に調べて比較しています。
これを読めば、求める目的に合う、納得の青汁がきっと選択できます!
すぐ読める目次はこちら
青汁の原料の違いを比較
青汁の原料に使われる4大野菜、大麦若葉、ケール、明日葉、桑の葉。
この中だと、ケールはよく目にする野菜の名前かもしれませんが、他はよく知りませんよね!
ここでは、青汁の原料4つの違いを説明していきます。
青汁の主な原料は4種類!
大麦若葉
大麦若葉と聞いても、具体的に思い浮かばないですよね? 大麦若葉は上にも書いたように、穂ができる前の大麦の若葉ですが、大麦って何だっけ?って思いますよね。
大麦若葉は、イネ科の植物である大麦の若い葉の部分です。大麦が穂を付ける前の若葉を収穫したもののことです。そして、大麦は、むしろ若葉のほうに有用な栄養があるんです!
詳細については、後ほど別の項目でご説明しますね!
ケール
ケールは地中海沿岸原産のアブラナ科の野菜で、キャベツの原種に近い品種です。1年を通して栽培で可能ですが、温暖な気候が適しています。なんと紀元前200年前には古代ギリシャで、薬用や食用として育てられていたそうです。日本には、江戸時代に観賞用として伝わりました。
明日葉
明日葉はセリ科の植物。生命力が強くて発育が早く、“今日、葉を摘んでも明日には芽が出る”と言われているほどです(実際はもっと4,5日かかります!)。八丈草とも呼ばれていて、八丈島では野菜として常食しているそうです。
桑の葉
桑の葉は、蚕の餌として重要な桑の葉です。桑は中国北部から朝鮮半島にかけての原産で、養蚕とともに中国から伝わったと言われています。桑の実はマルベリーと呼ばれ、甘酸っぱい味で、木は木材として使われます。捨てるところがないと言われる桑。その桑の葉は、淡泊な味です。
大麦若葉・ケール・明日葉・桑の葉|違いを比較!
大麦若葉とケールと明日葉と桑の葉、4つを比較するとどうなのでしょう?
その他の栄養価について、文部科学省の日本食品標準成分表で比べてみました!
大麦若葉と桑の葉は食品扱いになっていないようなので、データがありません。そこで、キャベツの値と比較してみました。
キャベツは、とても身近な野菜ですが、ケールや明日葉と比べると栄養価が見劣りしてしまいますね!
その他の青汁原料についてですが、
飲みやすさではずばり、大麦若葉に軍配が上がります。一般的に言われている飲みにくさは、下記のとおり。
大麦若葉 > 明日葉 > 桑の葉 > ケール
食物繊維の量では、
桑の葉 > 大麦若葉 > ケール
また、大麦若葉、ケール、明日葉は、いずれもビタミン類が豊富。
カルシウムに関して言うと、桑の葉が一番(牛乳の約24倍)だそうです。
桑の葉は大麦若葉に比べると、食物繊維、βカロテン、カリウム、カルシウムが多いことがわかっています。
また、大麦若葉の青汁はケールの青汁と比べると、食物繊維、鉄分、ビタミンKが多く、カルシウム、ビタミンKが少ないことが知られています。
青汁を飲めば野菜不足にならない?
厚生労働省の指針によると、成人が1日に必要な緑黄色野菜の量は、120g、その他の野菜(淡色野菜)の摂取量は230gとされています。
ピーマン1個がだいたい30~40gなので、緑黄色野菜120gというと、ピーマン3~4個くらいということになります。淡色野菜230gというと、タマネギだと大きめ1個くらいです。
この両方を毎日摂取することが推奨されています。けっこうな量ですよね!
青汁はビタミンやミネラルや食物繊維が豊富ですが、これほどの量の栄養素を補うには足りていません。
あくまでも、青汁は野菜不足を解消する手助けにすぎないので、そこは要注意です!
青汁を飲み過ぎたらどうなる?
青汁は、食物繊維が豊富な食品です。食物繊維を過剰に摂取すると、胃腸の不快感や、下痢やお腹が緩くなる症状が起きると言われています。
また血液を固まりにくくして血栓ができるのを防ぐ、ワルファリンを処方されている方は、青汁の摂取には注意が必要です。ビタミンKは血液が固まるのに必要なビタミンですが、ワルファリンはそのビタミンKの働きを妨げることで血液を固まりにくくします。
青汁はビタミンKを多く含むので、ワルファリンの効果を弱めてしまいます。
青汁には鉄分が含まれていますが、肝機能障害がある肝臓には鉄がつきやすいとされているので、肝機能障害を持つ方も青汁には注意が必要です。
青汁を飲み続けた人はどうなる?
青汁は、薬のように飲んですぐにわかりやすく効果が出るものではありません。ですが、続けることで、少しずつ効果が出てくると言われています。
青汁のもたらす効果:
ビタミンなどの抗酸化作用によるアンチエイジング、活性酸素の除去。
食物繊維による便通改善やコレステロール抑制や動脈硬化予防。カリウム摂取による、むくみ解消や高血圧予防など。
青汁によって、上記のような効果や、生活習慣病の予防が期待できます!
青汁の原料(大麦若葉・ケール・明日葉・桑の葉)の違いを詳しく!
青汁の原料といえば、大麦若葉と、ケールと、明日葉と、桑の葉が、4大トップ!
それぞれどんな違いがあるのか、気になりますよね。その違いをご紹介していきますね!
大麦若葉とは?
大麦は中央アジア原産で、世界で最も古くから栽培されていた作物の一つです。小麦よりも低温や乾燥に強い植物です。
大麦若葉の特徴は?
日本で栽培されるのは、二条大麦や六条大麦が多いそうです。二条大麦は、みなさんもきっと大好きなビールの原料!
六条大麦は押し麦にして、ご飯に混ぜる雑穀として使用したり、麦茶の原料になります。
大麦は、栽培するとき、麦踏みという重要な作業が行われます。発芽した後、麦の苗を足で踏んで茎を痛めつけます。根の張りを良くしたり、寒さに強くする効果があります。大麦は踏まれて、いっそう強く丈夫になる、生命力が強い植物なんです!
また、大麦若葉は、青野菜独特の臭みがなく、クセや苦みも少ないのが特徴です。
また、食物繊維が豊富で、その9割以上が不溶性の食物繊維です。不溶性食物繊維は水に溶けにくく、消化酵素で分解されずに大腸まで届いて便の材料になります。
大麦若葉の栄養成分は?
大麦若葉には、活性酸素を抑えるSOD酵素や、カルシウム、鉄、亜鉛、カリウム、マグネシウム、銅などのミネラル、βカロテン、ビタミンB1、ビタミンCなどのビタミン類、必須アミノ酸の一種でセロトニン(ストレス緩和するホルモンです!)を作りだすトリプトファン、肝臓機能を強化するアミノ酸であるアラニンなどのアミノ酸、そして、特徴のところでもお伝えした、食物繊維が含まれます。
大麦若葉はどんな効果があるの?
大麦若葉に含まれるSOD酵素は活性酸素を抑えるので、活性酸素で身体がさびつくのを防ぐ抗酸化作用があります。
生活上のストレスで生じた活性酸素は、身体の組織を酸化させて、癌や心臓の病気などの原因になるんです! もちろん、大麦若葉の抗酸化作用は、美肌や髪にも良い効果が期待できます。
また、食物繊維が多いことから、便通が良くなる効果があります。食物繊維には血糖を安定させる作用もあると言われているので血糖値が気になる方にもおすすめです。コレステロール値の改善効果があるとも言われています。
ケールとは?
ケールには苦みと青臭さがありますね。青汁や料理用に使われますが、生食できる品種もあります。ケールの特徴や、栄養成分を詳しく調べてみました!
ケールの特徴は?
独特の香りがあって苦みが強いのが特徴です。キャベツの原種に近い品種で、結球しない(丸くならない)キャベツという感じでしょうか。栄養素がたくさん含まれているので、スーパーフードとも野菜の王様とも言われています。
ケールの栄養成分は?
ケールには、ビタミンAの前駆体の(ビタミンAに変わるということ)βカロテンや、天然色素のルテイン、ビタミンCやビタミンE、カルシウムやカリウムやマグネシウム、食物繊維、葉酸、鉄などがあります。
キャベツと比べると、ケールに含まれるβカロテンは約60倍、ビタミンCは2倍、カリウムは2倍、カルシウムは5倍もあります。
ケールだけで、たくさんの栄養が摂取できて、健康に良さそうですね!
ケールはどんな効果があるの?
ケールには、免疫力を上げる効果があるんです! 免疫力強化にかかわる免疫細胞のひとつ、NK(ナチュラルキラー)細胞を活性化する働きがあることが知られているそうです。NK細胞は、ウイルスに感染した細胞やがん細胞を排除する役割を持つ細胞です。
免疫力、上げたいですよね! ケールの青汁を飲むだけで少しでもアップできたら、何よりです。
それに、ケールにはアレルギー疾患が発症するのを抑える効果もあるんです。
花粉症やアトピー性皮膚炎など、少しでも楽になったらうれしいですよね!
食後に血糖値が上がるのを防いだり、血中の中性脂肪の値を下げたりする効果も知られています。
食物繊維も豊富なので、便通の改善という効果も期待できます。
明日葉とは?
明日葉は古くから栽培されているそうですが、今ひとつ馴染みがありませんよね? 明日葉について、しっかり調べてみました!
明日葉の特徴は?
明日葉は数少ない日本原産の野菜で、葉と茎を食べます。葉は、セリ科の野菜特有の爽やかな香りとほのかな苦みがあり、茎はほんのり甘いという特徴があります。茎はきんぴらにして食べたりするようです。
明日葉の栄養成分は?
明日葉には、βカロテンや、ビタミンB12以外のすべてのビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、カルシウム、カリウム、鉄、それに食物繊維が含まれています。
明日葉の葉や茎を切ったときにでてくる黄色の汁には、明日葉特有のポリフェノールの一種のカルコンとクマリンが含まれています。
このカルコンは、明日葉以外の植物にはほとんど含まれていない貴重な成分です。クマリンはセリ科の植物全般に含まれるものです。
明日葉はどんな効果があるの?
明日葉に含まれるカルコンには、抗菌、抗酸化作用、抗炎症作用があります。血糖値の上昇を抑えたり、糖尿病の発症を抑える効果があるとも言われています。
高血圧抑制作用や、利尿作用もあります。古くから滋養強壮に良い薬草として知られていた野菜です
カルコンには内臓脂肪を減少させる働きもあるそうです。βカロテンやカルコンの抗酸化作用が、血管を若く保つのに役立つため、動脈硬化予防も期待できます。
桑の葉とは?
古くから健康に良いとされている桑の葉には、たくさんの栄養成分があります。どんな特徴があるのか、詳しくみていきましょう!
桑の葉の特徴は?
桑の葉は、桑の葉茶としても飲まれています。苦みや渋みがなく、香ばしい香りで癖がなく飲みやすい味です。
桑の葉の栄養成分は?
桑の葉には「1-デオキシノジリマイシン(DNJ)」という桑に特徴的な成分が含まれており、食前に摂取することで、糖質が吸収されるのを抑える働きがあります。ややこしい名前ですが、頼もしい栄養成分ですね! 以下、DNJと呼ぶことにしますね。
また、カルシウムやマグネシウム、亜鉛などのミネラルや、食物繊維も含まれています。なかでも、食物繊維やカルシウムは豊富です。
桑の葉はどんな効果があるの?
栄養の項目の所で登場した、桑の葉の特徴的な成分DNJが糖質の吸収を抑えるので、血糖値を上げないようにする効果があります。
糖質の吸収が抑えられるということは、糖質制限ダイエットにも良さそうです。食物繊維が豊富なので、便秘解消や、便通の改善という効果も期待できそうです。
青汁は原料・目的別に選び方を変えると効果的!?
原料によって有効成分も様々ですね!
では、目的に合わせて青汁を選ぶとしたら、どれを選べば良いでしょう? 目的別におすすめ商品をご紹介しますね!
飲みやすさを求めるなら大麦若葉!
大麦若葉の青汁は、青汁特有の青臭さもなく、癖がなく、飲みやすいことが知られています。青汁初心者の方は、何と言っても飲みやすい、大麦若葉の青汁から初めてはいかがでしょうか? 続けるには、おいしさも重要なポイントですよね!
おすすめ商品1つ紹介
サントリーの「極みの青汁」は抹茶風味。お茶のような味わいなら、食事のときに飲んでも違和感がなさそうです。
飲料メーカーなので、飲物の味には期待ができそうですよね! 宇治抹茶と宇治煎茶が使用してあるそうです。
しかも、この青汁、大麦若葉だけではなく、明日葉も使っているんですよ!
ケールはカルシウムが豊富!
野菜の王様と言われるケール。様々な栄養成分が豊富に含まれていますが、苦いのがたまにきず。栄養素が変わらないなら、大麦若葉がいいかな? なんて思ってしまいますよね。
じつは、ケールはカルシウムが豊富なんです。ビタミンCやβカロテンなどと一緒にカルシウムも取りたい!と思う方は、ケールがいいかもしれません。
おすすめ商品1つ紹介
苦くても飲める!という方には、個人的には、キューサイの冷凍タイプの青汁がおすすめです。
以前、ストレス性の胃痛に悩んでいたとき、冷凍タイプの青汁を飲むようになってから、改善したという経験があるんです。
誰にでも通用するのかどうかはわかりませんが、胃や内臓が整ったのかな?と思っています。
キューサイ、冷凍タイプ
https://www.kyusai.co.jp/products/detail.html?prod_id=00074510&c_cd=001001002
キューサイ、粉末のマイルド風味
https://www.kyusai.co.jp/products/detail.html?prod_id=00074810&c_cd=001001001
明日葉は抗菌・抗酸化のカルコンが効く!
明日葉以外の植物にはほとんど含まれていないという、貴重な栄養成分カルコン。
カルコンは、前述した項目でもお伝えしましたが、ポリフェノール系の成分で、抗菌、抗酸化、抗炎症性作用があります。内臓脂肪や血糖値が気になる方にも適した栄養成分です。カルコンの効果を試したいという方は、明日葉の青汁をいかがでしょうか?
おすすめ商品1つ紹介
明日葉に加えて、乳酸菌やオリゴ糖が配合されています。味も抹茶風味で飲みやすいようです。
あしたば青汁みどり
https://www.ashitaba.co.jp/special/aojiru-midori-monitor/index.html
桑の葉は血糖値上昇抑制!
桑の葉の項目でもお伝えした、桑の葉に特有の成分DNJ(1-デオキシノジリマイシン)は、炭水化物を糖に変える酵素の働きを阻害するので、小腸からのブドウ糖の吸収が抑えられます。血糖値の急上昇を抑えたい、コントロールしたいという方は、桑の葉の青汁はいかがでしょうか。コレステロール値の上昇も抑える効果が期待できます!
おすすめ商品1つ紹介
有機栽培、無添加加工の、桜江町桑茶生産組合の桑青汁をおすすめします!
島根県の桜江町は、戦前は養蚕が盛んだった地域です。
桑は蚕のために栽培されていたため、こちらの桑畑では、長年農薬が使われたことがないそうです。
桑をよく知る町ならではの桑の青汁、なんだかとても効きそうですよね!
有機 桑青汁(桜江町桑茶生産組合)
https://www.kuwakuwa.tv/allproducts/kuwa_aojiru/
青汁の原料|製法の違いは?
青汁の製造法については、できるだけ生のときの栄養を残して製造するために、各社が工夫をこらしています! ここでは製造法についてまとめてみました。
生搾り製法――日本薬品開発株式会社
日本薬品開発株式会社が使用している製造法は、生搾り製法。熱を加えずにすぐに粉末にすることによって、素材の成分をより生に近い状態のままで製品化しているそうです。青汁原料か青汁成分を搾りだし、吸収性に優れた状態のまま粉末にするという製法です。
マイルドパウダー製法――キューサイ
キューサイでは、乾燥させたケールを手作業で異物がないか検査した後、液体窒素で凍らせて一気に粉砕してパウダー状にしています。
熱を発しないため、酸化することもなく、ケールの風味も損なわれない方法です。その後、パウダー状の粉末ケールを空気でかき混ぜながら水分を付着させるという、マイクロパウダー製法によって、溶けやすい粉末青汁を作っています。
低速すり搾り製法――ベルファーム
ベルファームでは水も添加物も加えない方法で作っています。
熱を加えずに野菜の成分を抽出する方法にはコールドプレス機によるスロージューサー法が使われますが、この方法だと、食物繊維が少なくなります。
いっぽう、ミキサーを利用してスムージーを作る方法では、食物繊維は残りますが、高速回転によって発生する熱で酸化が進み、ビタミンCや酵素も壊れてしまいます。ベルファームでは、独自に特許を取得した「低速すり搾り機」によって、栄養を壊さず、効率よく抽出するそうです。