2020年3月1日の東京マラソンは、東京オリンピック残り1枠となった男子マラソン東京五輪の代表選考会を兼ねています。
現日本記録保持者の大迫傑、前日本記録保持者の設楽悠太ら男子の有力選手が集結する注目の大会です。
東京オリンピック、五輪代表選考は大迫傑の持つ2時間5分50秒の日本記録を破った最速の選手が代表入りに近づき
2020年3月8日のびわ湖を含め、突破者がいなかった場合は2019年9月のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)で3位の大迫傑が東京オリンピックの残り1枠の代表になることが決定します!
東京マラソンでオリンピック五輪代表残り1枠を手にするのは、いったいどの選手なのでしょうか?
この記事は、『【マラソン大迫傑】ナイキ厚底シューズで東京オリンピック代表内定か?』と題して、大迫傑の走り方とナイキ厚底シューズがパフォーマンスを最大化させる秘密を徹底分析します。
また、直近レースのドバイマラソンの結果から東京マラソンに照準を合わせて順調に仕上がっている根拠もまとめていきます
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【マラソン大迫傑】ナイキ厚底シューズで東京オリンピック代表内定か
大迫傑の強さの秘密【その一】:不整地を走ることで自然と身についた「フォアフット走法」
大迫傑の強みとされているのが、つま先で地面を捉えて走る走り方「フォアフット走法」です。
なぜならば、長距離走で主流となっている、体を垂直に立て小幅で歩数を多くする「ピッチ走法」とは大きく異なり、
体を前に倒すことで、重心が前に引っ張られます。すると転ばないように、とにかく足を前に出すためどんどんと加速し、スピードが維持できる走法です。
また、一般的なフォアフット走法では、衝撃吸収のクッションの役割としてつま先を使うが、大迫の走法は違うと言われています。
つま先を接地させた瞬間、地面の衝撃を吸収しながら加速させる。体のほぼ真下で接地させることで、ふくらはぎを使って、つま先→踵の順に重心を移動させる形だそうです。
さらに、大迫の走りにおいては、前傾姿勢であることも革新的な点として注目されます。
例えば、これらのフォアフット走法の特長は「マラソン大国」ケニアのランナーと、共通しています。
2016年のリオデジャネイロ五輪金メダリストのエリウド・キプチョゲも前傾姿勢で走るが、これは優れた体幹を保てているからこそ可能なことだと考えられています。
大迫傑の特長として、ケニアのランナーのように長い脚と小さい頭など、身体的な面でも日本人離れした部分が、このフォアフット走法を可能にしているということですね!
従来の日本の長距離界ではかかとから地面に着地する方法が用いられてきただけに、大迫の走りは「常識破り」とも言われていました。
大迫傑、本人いわく、「不整地を走ったり、スピードに特化したトレーニングの中で自然と身についた走法」だと言っています。
訓練をして身についたのではなく、ごく自然なカタチで習得したことが、大迫傑の天才的にな感性ということです!!
大迫傑の強さの秘密【その二】:話題となった「ナイキ厚底シューズ」
大迫傑の日本記録更新で注目されたのは、その走り方だけではありません。
驚異のスピードを支える「ナイキ厚底シューズ」も大迫傑のフォアフット走法に適したシューズです。
なぜならば、この厚底シューズの特徴は、ソールの厚底部分にカーボン製のプレートが埋め込まれており、
反発力を高め、足を前に押し出される感覚が生まれるとされています。
足の負荷を軽減しながら、反発力で推進力を生み出すという効率的な設計となっているということですね。
また、大迫傑はギアにも自信のこだわりを持っています。
従来のランナーが履いていた太腿まわりのゆったりとしたランニングパンツではなく、風の抵抗を受けない、フィット感のあるコンプレッションタイツを好んで着用しています。
大迫傑のフォアフット走法はスピードがあるだけに、少しでも風の抵抗を最小限にする工夫を取り入れています。
更に、アフターケアへの意識が非常に高いのも大迫傑の特長です。
アメリカでの先進的なトレーニング方法に刺激を受け、週2回はメディカルトレーナーのケアを受けているそうです。
超音波治療器などの機械にも頼りながら、自宅でもテレビを見ながらストレッチをしたり、ボールを使ってコリをとったりするなど細かなリカバリーを欠かさない。
日々の積み重ねがしっかりと結果につながることを、あらためて裏づけるエピソードですね!
大迫傑の強さの秘密【その三】:目先の記録やライバルではなく、自分との勝負にこだわる
スポーツの基本は「心技体」とよく言われます。
42.195キロの孤独なレースが続くマラソンはメンタル面が占める割合が非常に重要とされますよね!
大迫傑は決して言葉数の多い選手ではありません。
ただ、それだけに強い闘志と、周囲に影響されない芯の強さが伝わります。
決してプレッシャーに押しつぶされることはなく、自分の目標へと着実に進もうとしています。
偉業を達成した今でも「日本記録を持ちたい」という気持ちを重視しているわけではなく、
ある取材で大迫は「その日、その一瞬を大事に、少しずつしか進めないことに気づくこと」が大切だと話しました。
その日の天候やコンディションに左右される、タイムという目先の数字にこだわるのではなく、
自分ではどうしてもコントロールのできないライバルの走りのことを考えることにも価値がない、という考え方です。
「多くの時間を割くのは、自分の内にフォーカスすること。自分との勝負に時間を費やしている」きっぱりと言い放っています!
ストイックで負けず嫌い。
常に厳しい環境に身を置くことで成長してきた大迫傑らしい考え方です!!
「東京オリンピックのために、一つひとつできることをこなす」。その言葉の裏には確かな説得力が存在します。
東京マラソンへの調整練習、ドバイマラソンで好ラップ
男子マラソンの日本記録保持者、大迫傑が2020年1月24日に行われたドバイマラソンに出場しています。
3月1日の東京マラソンへの調整練習として位置づけで25km過ぎまで走り、好ラップを刻みました!
大迫傑の25kmまでの通過タイムとラップ(5km/1km)
・5km 14.44(2.57)
・10km 29.38(14.55/2.59)
・15km 45.01(15.23/3.05)
・20km 59.29(14.28/2.54)
・Half 1.02.43
・25km 1.14.18(14.49/2.58)※公式サイトの速報値では、20~25km地点の通過タイムとラップに整合性がない部分もあったため、
通過タイムを基にラップを修正とのこと。
最初の5kmを14分44秒のハイペースで入った大迫傑は、
10~15kmは15分23秒とペースを落とした以外は、14分台のラップを刻み、ハーフを1時間02分43秒、25kmを1時間14分18秒で通過してレースから退きました。
大会公式サイトのリザルトでは、「5km14分52秒/1km2分59秒」を基に完走した場合の推定記録も記載されています。
それによると、大迫傑がもしそのペースで完走した際は自身が持つ日本記録を26秒上回る2時間05分24秒を刻むことになっているようです!!